トリプルコートが魅力的なサイベリアンの特徴や性格について
2012年に日本からロシアに秋田犬を贈った返礼として、プーチン大統領から譲渡されたことでも有名なサイベリアン。そのモフモフとした見た目以外に、どのような特徴があるのかなど、ご存じない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、サイベリアンの特徴や性格などについてご紹介いたします。
1.サイベリアンとは
サイベリアンという品種名は、ロシアのシベリアという地域名から来ています。「サイベリアンフォレストキャット(シベリアの森に住む猫という意味)」と呼ばれることもあり、明確なルーツについては未だ判明していませんが、ロシアでは1,000年以上前から生息していたとされています。
現在のようにサイベリアンという品種名で広く知られるようになったのは、1990年にアメリカのブリーダーによってアメリカに輸入されたことがきっかけでした。輸入された後は計画的に繁殖され、最終的に1996年にTICAという猫の品種登録をする団体によって公認となったのです。そのため、猫の品種の中でも最近になって認知されはじめた品種ということになります。
ロシアでは非常に有名な品種でもあり、過去にはロシアの初代大統領であるゴルバチョフをはじめ、ドミートリー・メドヴェージェフ元大統領なども、ペットとして飼っていたことでも知られています。国のトップにも愛されている猫であるということを考えると、ロシアを代表するペットであるといっても過言ではありません。
2.サイベリアンの特徴
サイベリアンの最大の特徴は、モフモフとした体毛です。厳寒で知られるシベリア地方に生息していたこともあり、厳しい寒さであっても生き抜いていくことができるように、体毛をたっぷりと生やすことによって、体温を維持できるような進化を遂げたのではないでしょうか。
体毛は質感の異なる3種類の毛によって構成されており、これを「トリプルコート」といいます。通常の猫はダブルコートですので、一層多いのが特徴です。全体的にたっぷりと厚みがありますが、なかでも首周辺は、とくに毛量が多い傾向にあります。
そんなたっぷりの体毛の下にある身体ですが、意外にも骨太で筋肉質です。ほかの猫とは違い、肩よりも背骨のほうが盛り上がっているため、真横から見ると山なりのような形をしています。身体自体もほかの品種よりも大きめですが、その見た目に反してとても俊敏で、ジャンプ力もかなりあるというのも特徴といえるでしょう。
「房毛」と呼ばれる毛が足の裏に生えていて、これは、シベリアで雪の上などの非常に冷たい場所を移動するために防寒アイテムとして、とても効果的な役割を果たす部分でもあります。
成猫になった際の平均体重は約8キロで、オスの場合にはとくに身体が大きくなりやすい傾向にありますので、平均で10キロ以上の体重になります。ただし、成長スピードはとても遅いので、成猫になるまでには5年ほどかかるといわれています。また、前足よりも後ろ足のほうが若干長いという特徴を持ち合わせているのです。
3.サイベリアンの性格
サイベリアンの性格の特徴としては、懐いた相手かそうでない相手かによって、反応が違うという点が挙げられます。飼い主として認めていたり懐いたりした相手に対しては、まるで犬かのように従順でときには甘えたりもしますが、そうでない相手に対しては見向きもしなくなるようなクールさも持ち合わせているのです。知らない人を信用しませんので、そういった相手に撫でられたり触られたりすることは、好きではありません。
基本的な性格としては、穏やかで忍耐強いのが特徴です。獲物を逃さないというハンターとしての側面ありますので、非常に粘り強く、水の中であっても臆することなく突っ込んでいくこともあります。
一般的に猫は水が苦手という中で、水を嫌がらないことが多いのも、サイベリアンならではといえる部分ではないでしょうか。
また、非常に賢いことでも知られています。そのため、芸を覚えることもできたり、たくさんの運動が好きだったりもするのです。社交的でもありますので、飼う際には一匹だけでなく、数匹まとめて飼うようにすると寂しさを感じさせにくくなるのではないでしょうか。
4.かかりやすい病気
ほかの猫でもそうですが、サイベリアンにも、発症してしまいやすい病気がいくつか存在しています。いざというときに焦ってしまうことがないよう、あらかじめどのような病気にかかりやすいのか、治療方法はどういったものになるのかなどを把握しておきましょう。
4-1.ピルビン酸キナーゼ欠損症
ピルビン酸キナーゼ欠損症というのは、貧血を引き起こす病気の一種です。通常赤血球の中にはエネルギーを生産する目的をもつ「ピルビン酸キナーゼ」という酵素があるのですが、なんらかの事情により、その酵素が正常ではなくなってしまいます。酵素が正常でないと、エネルギーの生産ができないため、最終的には貧血症状が発生してしまうのです。
発症した場合には、骨髄移植をすれば根本的な解決をすることが可能ですが、それはあまりにも現実的ではないという判断となりました。
4-2.子宮蓄膿症
子宮蓄膿症は、メスでだけ発症する病気です。なんらかの原因によって、子宮の中に病原体が入り込んでしまい、炎症を起こした結果、膿が溜まってしまいます。
水をたくさん飲むようになったり、陰部から膿が出ていたりするなど、ペットの行動になんらかの異変を察知した際には、速やかに獣医さんに診察してもらうようにしましょう。
5.まとめ
サイベリアンには、慣れないうちはクールに振る舞うものの、一度仲良くなってしまえば、犬のようにベッタリと甘えてくるようになるギャップがあります。ご自宅のスペースに猫が運動できるほどの余裕がある方などでしたら、飼うのに向いているといえるでしょう。
サイベリアンを飼いたいとお考えでしたら、「ビークラブ猫店」へまずは一度ご相談ください。専門ブリーダーがおりますので、サイベリアンに関するさまざまなご質問もお待ちしています。